製作するアイテムや作り手によって様々なやり方がありますが、ここでは基本的な製作方法を説明します。
型紙
アイデア・イメージを元にデザインを図面にして各パーツの型紙を作ります。この段階で製品の機能性や出来栄えが全て決まります。使用する革の種類や厚み、使用方法を考慮してmm単位で細かく設計していきます。
裁断
型紙の形を特殊なインクのペンや道具で革に写していきます。各パーツを革包丁という特殊な包丁で切り出していきます。mm単位で設計した型紙の形を崩さないよう慎重に裁断します。
染色
革用の水性染料やアルコール染料を使い革を染めていきます。基本的には薄い色で染めてから、徐々に濃い色を重ねていきます。染めては乾かしてを繰り返し好みの色にしていきます。また、ぼかし染めやムラ染めなど色々な手法により表情も変わります。
貼り合わせ
各パーツに革用ボンドを塗りハンマーで叩いたり、ローラーで圧着して貼り合わせていきます。パーツ同士がずれないように張り合わすことが大切です。貼り合わせた箇所は縫い合わすため、目印のガイドラインを引いておきます。
縫い穴
手縫いではあらかじめ縫い穴をあけてから縫っていきます。ガイドラインに沿って菱目打ちという道具で穴を開けていきます。縫い穴がガイドラインからずれない事はもちろん、縫い穴の大きさを揃えることが綺麗な縫い目をだすポイントです。
縫製
手縫いでは2本の針を使いダブルステッチという方法で縫っていきます。両手を使うためレーシングポニーという道具で革を挟み保持します。一目一目同じ力で縫っていきます。
コバ磨き
レザークラフトでは革の端の事を“コバ”といいます。貼り合わせ縫い合わせたコバを綺麗にしていきます。ヤスリをかけコバを丸く整え、専用の薬品を塗り木やガラスなどで擦り磨いていきます。コバが綺麗になるまでこの作業をくり返し行います。
工程のすべてが重要
こうした工程を経て製品が完成していきます。ここでは基本的な方法をおおまかに記述しましたが、実際には各工程ごとに更に細かい作業がたくさんあります。また、どの作業工程も全て重要で無駄なものはありません。ひとつひとつの工程をきっちりと確実に仕上げていく事で良い製品が出来上がります。